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輝きWoman!!記事2022/02/18
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「この仕事ができて幸せだなと思える」…そんな仕事を持つこと
韓国料理研究家 / 朴賢子
韓国料理研究家であり新大久保にお店をかまえ、韓国料理専門店テーハンミングのオーナーシェフでもあるパクヒョンチャさん。
人と人との縁を大切に日本に来られて30年余り、沢山の人に韓国料理の素晴らしさを伝え続けています。
お店での美味しいお料理は勿論のこと、韓国料理研究家として沢山の肩書をもち、いつも飛び回って様々な活動をされています。
内面から溢れ出る、芯の美しさ、皆さんにお届けします
お客様とのご縁を大切に
20年間テーハミングを続けてこられて一番大切にしてきたものは、何ですか。
パクヒョンチャ お客様とのご縁、お客様との関係ですね。初めて来てくださったお客様に、料理が美味しいと思っていただくことはもちろんですが、料理の味だけではなく、お店やスタッフの雰囲気も含めて「またあの店に行きたい」と思っていただけるように、一人一人のお客様とのご縁を大切にしてきました。
野菜を食べる文化で「幸せ」を届けたい
テーハンミングをオープンされて、韓国料理を通じて日本に一番伝えたいことは?
パクヒョンチャ 日本と韓国は隣の国ですが、食文化は結構違います。例えば、日本では、お店で出てくる野菜は、ほとんど種類が同じなんです。日本にも美味しい野菜が沢山あるはずですけれども、大事な野菜を食べない文化のような気がします。ですから、もっといろんな野菜を食べる文化を、私が日本人に伝えたい気持ちです。野菜は凄く体にいいし、野菜は、本当に自然から作られたものですから、沢山食べれば食べるほど元気になります。野菜を食べることで、もっと幸せになれるし、お肌にもいい、それを伝えたいですね。
日本人にもっと広めたい!「セリ」「なずな」「菜の花」…
日本では食べるけど、韓国では食べない、又は、韓国では食べるけど、日本では食べないものは、ありますか。例えば、パクヒョンチャさんが日本に来て「日本人はこれを食べないの??」と、驚いたものはありますか。
パクヒョンチャ すごくあります。例えば、「セリ」ですね。「セリ」は韓国で、物凄く沢山食べます。海鮮鍋には沢山入れるし、それを茹でてナムルにもします。ナムルも色んなバージョンがあるんです。日本では仙台で「セリ」を鍋に入れる文化がありますよね。韓国の場合は全国で一年中、食べる野菜なんです。肝臓にもいいし、肌にもいいです。汚れた水に「セリ」を入れると、その汚れた水が綺麗になると言われています。それと同じように「セリ」には人間の身体も綺麗にしてくれるチカラがあるんです。実は、父が60歳ぐらいの時に「癌」を患いました。その時、母が、沢山ある「セリ」の中でも、凄く空気の綺麗なところで作られた「セリ」を親戚に頼んで手に入れていました。それをジュースにしたり、生で父に食べたさせたりしていました。うちのお店でも色んなメニューで「セリ」を出しています。サムギョプサルで炒めたり、生でもお出ししたり、イカ刺し合えにしたり、もちろん鍋にもいれます。私がインスタに上げた海鮮チゲ鍋にも、「セリ」を沢山入れるんです。「セリ」は凄く美味しく、キムチにしても美味しいです。日本人が食べない野菜「セリ」「なずな」、春に出る「菜の花」など、10年前から始めている料理教室で日本人に沢山伝えています。
「ごはん食べた?」と声を掛け合うのは韓国の愛情表現
韓国の人ってお友達に会うと「ごはん食べた?」って挨拶すると聞いたのですが。
パクヒョンチャ 韓国の人達は、食事を凄く大事にしています。「こんにちは」とか「こんばんは」とか挨拶するときに、「ごはん食べた?」「一緒に食べる?」と聞くんです。それが愛情表現なんです。そのような挨拶は、昔からありました。食べ物がそんなに無かった時代に、朝会った人に「ごはん食べましたか?」と挨拶します。10時とか12時に町で会う時も、「ごはん食べましたか?」という挨拶をします。今は食べ物が多い時代になりましたが、今もなお「ご飯食べた?」という愛情表現として続いているのです。
韓国では「必ず家族そろって食事をする」
韓国の人たちは、食べる事を大切にする文化なんですね。
パクヒョンチャ 韓国の場合は、必ず1週間に一度は家族が集まって、食事をしながら、色々と話します。今、韓国ドラマを見ても食べるシーンが沢山ありますよね。1週間に一回、少なくとも1ケ月に3回は必ず、孫まで集まって、家族みんなでご飯を食べながら「1週間どうだった?」と話しながら食事をする文化を大切にしているんです。
5人兄弟の真ん中で育ったからこそ、今の私がある
お料理は、お母さまから教わったんですか。
パクヒョンチャ 私は5人兄弟の真ん中なんです。兄、姉、私、妹、弟、という感じで、私は上と下に挟まれていて、まるでサンドイッチ状態でした。5人兄弟で真ん中の私が家の手伝いをしていたので凄く大変でした。でも、その大変な時期があったからこそ、今こうして、私が料理も出来ているのだと思っています。母がキムチをつくる時はいつも、私だけが手伝っていました。母は、姉には「勉強しなさい」と言いながら、私には、学校が終わったら家事を手伝うように言いました。「塩をください。唐辛子下さい。」と次々に仕事を頼まれて忙しかったのを覚えています。そんなふうに、学校が終わってからはいつも、夜のご飯の準備を手伝っていました。母から「白菜切って下さい」「塩漬けしたものを洗ってください」「水をさしてください」と色々と頼まれました。そんな状態でしたから、中学生の時は、「私は本当はこの家の子供ではないのかな」と思うくらい、辛かったです。5人兄弟の真ん中で、いつも存在感もないし、「何で、母と父は私ばかりにいじわるするのだろう」と本気で思ってました。寝る時にいっぱい泣いた記憶があります。だけど、私が母になってみて、やっぱり兄弟には、一番上の役割もあるし、真ん中の役割もあるし、そういった兄弟関係を、今は理解できます。結婚してそれが理解できてからはすごく幸せです。子供のときはそれが理解できなく辛くて大変な思いもしましたが、その経験があったからこそ、今、私が料理の先生になれたんだなあと思います。
プロとして、自分の仕事をきちんと持っている女性
こんな女性が素敵、こんな女性が輝いているんだなと思うのはどんな女性ですか。
パクヒョンチャ お店のバイトスタッフがほとんど20代・30代ぐらいで、給料は1ヵ月ごと払います。凄くしっかりしているスタッフもいますが、中には、仕事は頑張っていても、給料を遊ぶことに全部使ってしまい、ちゃんと考えないスタッフもいます。ですから、そういうスタッフには、私はいつも「あなたが10年後何をするかを考えて、今から、準備をしないといけないんだよ」と言います。自分の勉強のために使う人、学費に使う学生もいますが、バイト代を食べることと遊ぶことに使って終わる人たちが、半分ぐらいいます。だから、私が給料をたくさんあげたとしても、そういう使い方をしていたら、その人は幸せとは言えないと思うんです。自分の将来や仕事について、ちゃんと準備する。プロの意識をもって、自分の10年後、何をするのか。結婚しても、40代とか50代でも、女性も仕事をしないといけない時代だから、「自分がしっかりしなきゃいけないよ。」と話します。本当に自分がプロになって思うことは、自分の仕事をちゃんと持っている人が輝いている人じゃないかなと思います。
今もなお「料理の先生としての道」を示してくれる人
「この人こそ、素敵な女性!」という方は、いらっしゃいますか。
パクヒョンチャ 私に、韓国料理を教えてくれている、ユンスッチャア先生です。75、76歳くらいの方なんですけど。確か15、6年前、韓国のK-POPが始まった時に、K-POPと一緒に、韓国のKフードが全世界に広まった時期がありました。その頃、主人は私に「あなたは本当に料理の先生になった方がいいよ、やらないと勿体ない。」と言っていました。そして、私には言わずユン先生のお料理教室の授業に申し込んだんです。今だから言えますがユン先生の授業は、私が行きたくて行ったわけではなかったんです。ユン先生が教える料理は私より上手じゃないし、何で私がこの授業をうけているのかな、と最初は思っていました。でも、1週間ぐらい経つと、その気持ちが全く変わりました。「あー、この先生は私が本当に自慢できる人だ。料理の先生がこんなに美しい人だなんて知らなかった。」と思い涙が溢れてきてしまいました。号泣するほど、ユン先生に感動させられたんです。最初、ユン先生に対して抱いていた気持ちを深く反省して、その時から、私もユン先生みたいに、輝いている人、本当に美しい人、美しい先生になれたらいいなと思うようになりました。先生は今も韓国で幅広く仕事をされていて、テレビ番組や、国の仕事もしています。今でもユン先生が自分に「料理の先生としての道」を示してくれています。
日本に来て、遊ぶ方法を忘れてしまった
本、映画、など影響を受けたものはありますか。
パクヒョンチャ 最近は、ドラマを沢山観るようになりました。コロナ禍以前は、大使館の仕事が凄く多くてケータリングもあって忙しかったので、ドラマを見る時間が全くありませんでした。だけど、コロナ禍になった2020年くらいから、それまで凄く忙しかった私が、「仕事がない、やる事がない」という状態になってしまったんです。お客様もいないし、やる事もない。遊ぼうと思っても、日本に来てから忙しくて、遊ぶことも出来ない人間になってしまっていたんです。韓国にいる時は友達も沢山いたし、お酒は体に合わないので飲みませんでしたが、友達と旅行も行ったりしました。日本に来て、仕事だけしかしない生活だったので、遊ぶ方法を忘れてしまったのです。主人は私に「遊ぶ練習が必要だよと、遊びなさい遊びなさい」というけれど、遊び方をすっかり忘れてしまったのです。どうやって、遊ぶのか分からないんです。そんなわけで、2年前からは、ドラマを沢山見て影響を受けています。
自分が「この仕事ができて幸せだな」と思える…そんな仕事を持つこと
当社の社員は、20代・30代が多いのですが、これからの女性にアドバイスをいただけますか。
パクヒョンチャ 今の人たちは、60代・70代まで仕事ができます。20代の人だったら75歳迄仕事が出来る時代になるかなと思います。プロとして自分の仕事を持ち、自分がその仕事をしていて幸せだなと思えたら、それがその人にとっての「幸せ」だと思います。
インタビューを終えて…
内面の美しさもさることながら、きめ細かな美肌に見入ってしまいました!!
それはきっと、沢山の野菜を食べられているからか…自分がその仕事をして凄く幸せだなと思う仕事をちゃんと持てたら、幸せ。
プロの意識をもって、自分の10年後、何をするのか。
改めて自分自身に向き合っていかなければ、という思いにさせていただきました。
そして、お店では笑顔溢れるパクヒョンチャさんから、元気パワーをもらえる事、間違いなしです!
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朴賢子(パクヒョンチャ)
韓国料理研究家
1965年 韓国生まれ
1991年 日本来日
2002年 韓国料理専門店 テーハンミング オープン
2015年 株式会社Park's Town設立
2015年 韓日国交正常化50周年、光復70周年記念行事、韓国料理主管
2016年1月〜現在 駐日本大使館韓国文 化院韓国料理専門講師
2017年2月 韓国文化院との共催で韓国のお正月の展示会開催
2017年6月 平昌オリンピック成功催のための江原道グルメ展示会開催
2017年6月 中野SUNプラザホテルにて平昌オリンピック韓国料理10選プロモーション開催
2018年8月 韓国全羅道にて1000年記念全羅道訪問の年記念イベント
2021年 NHKテキスト(ラジオ)の語学雑誌合計13冊にレシピ掲載
2021年 SB食品グループの公式 YouTubeの制作、レシピなどの提供、本の作成
【メディア】
マツコの知らない部屋、世界一受けたい授業出演
その他KBS、BS、NHK、テレビ朝日、日本テレビなど多数のTV番組やラジオに出演