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- 守岡 実里子「外見を磨くことだけではない 「日本女性として輝く」ということ」
輝きWoman!!記事2020/10/09
あなたにとって「輝きwoman」とは...
外見を磨くことだけではない 「日本女性として輝く」ということ
日本食文化研究料理家 /守岡 実里子
日本全国の食と農業を生かした地方創生事業に従事したのちフードコンサルタントとしてもご活躍されている「日本食文化研究料理家」のもりおかまりこさん。
自国の食文化の素晴らしさと「心と身体を磨く日本伝統美容食」の専門家として登壇されていらっしゃいます。
今回はそんなもりおかさんに、日本食文化研究家として、日本女性として、お話を伺いました。
「日本食文化研究料理家」という仕事は…
食に関わる全てのコンサルティング
「日本食文化研究料理家」ということですが、具体的にどんなお仕事をされているのか教えていただけますか?
守岡 仕事内容は大きく分けて2つの立ち位置のお仕事がありまして、1つは料理研究家として人前に出てお話をしたり、料理の講習会やイベントをおこなったりしています。
もう一つはフードコンサルタントとして地方の旅館や飲食店や生産者の方々を支援するような活動をしています。
フードコンサルティングの仕事は、地方の町起こしをメインに自治体からのオファーで仕事させていただいたりとか、メニュー開発をしたり加工商品の開発のお手伝いをしたりしています。
また、飲食店だったり旅館のトータルコーディネートだったり料理の企画開発をしています。
和食で美しく健康に
守岡 唎酒師の資格も持っているんですよ。
和食で美しくなりましょうとか和食を食べて健康になりましょうという事を主にお話しているセミナーが多いんです。
日本酒を普及している団体や企業様に「発酵と美容の話をして下さいね」とお話を頂いたりします。
コーセーさんのような化粧品会社の方から「発酵をテーマにした化粧品を今度プロモーションしていくので、発酵がどれだけ美容にいいか食の立ち位置から話してください。」というようなかたちで依頼を受けたりもします。
自分が主催で料理教室をやるっていうことは少ないですけども、何処かの自治体さんや企業様とコラボレーションして講師で登壇してお話させて頂く活動をしています。
食に関わる全てのコンサルティングの事業をしているんです。
地方の食をデザインするということを専門にした食のプロデュースをするかたちです。
写真で拝見したことがあります。和食の盛り付けって凄い芸術ですよね。
守岡 そうなんです。でもあるところで時が止まってしまっているものもあるので、今風に少し変えていくことも大切にしています。
昭和のまんまの盛り付けも大切ですが、今流行っている和食屋さんは懐石風だけじゃなくて、フレンチのエッセンスがあったりとか、華やかな盛り付けにしてたりしてるん現代の目線を取り入れています。
自分ではそれをフードリノベーションと言っているんですけども、伝統と革新という言葉が好きなので、伝統を取り入れながらいいものを残して、現代の人達が少し喜ぶかたちを取り入れてます。
父の病気で食事療法に出会ったとき
「食事のチカラ」ってすごい!と気づいて
日本食文化研究をお仕事にしようとした思ったきっかけは何ですか?
守岡 もともと料理研究家になりたかった訳ではなかったんですね。
大学時代私は、音楽で心身の機能回復だったりとか、心身の機能を維持していくというようなことを専門とした学問(音楽療法)を学んでいたんです。
健康には凄く興味があって大学の時に人を治すお仕事をしていきたいと思っていました。
その頃にたまたま両親の健康状態が悪くなって、父が心臓に疾患ができたんですが、その時に日本の伝統食をベースにした食事療法に出会って始めたことがきっかけだったんです。
両親とも食事療法でものすごくからだの機能が回復して、お医者様もびっくりしたというような事がありました。
その時に音楽の力も凄いけれど、食事の力も本当に凄いなってことに気がついて。
そこで、食事療法というか日本の伝統の食をただ食べているだけなのに、健康になっていくということが、凄く面白くて、その時に音楽から日本の健康食をお伝えするお仕事をしようとシフトチェンジしました。
守岡 最初に25歳の時にフードコンサルティング会社(地方創生の食のコンサルティングが専門の会社)に勤めて、地方の農業者や加工食品メーカーを支援している会社の社長さんと会いました。
そこで、農家さん達が儲からない現状や、昔ながらの加工品を作っている事業者の方々も儲からない、
昭和の初期から酒蔵さんは3分の1に減ってしまっている、醤油やお味噌を作っている方も物凄く減っている、など、生産者の状況を知らされました。
そんな中で、自分でお伝えしていくことも大事だけど生産者の方を支援していく事も同時にやっていかないと、「この和食を食べて健康になりましょう」とお伝えしても、
いずれその循環が無くなってしまうと思い、日本食文化料理研究家というかたちで日本の食の大切さをお伝えしながら、同時に生産者の方々を支援していったり、消費者と生産者を結ぶようなお仕事をしていきたいなと考えたわけです。
皆が日本の生産者が作ったものを食べて自分も健康になって綺麗になってほしい、昔ながらの日本にあるものを食べて綺麗になる人たちがもっと増えることで、産地や生産者の方々も元気になってほしい、と思ったんです。
食卓で一人一人が何か食べるってことは小さな行為ですけども、その輪が広がれば社会を変えていける事も出来るなと思ってこの仕事をしています。
美容のためには海外のスーパーフードより昔ながらの日本の食事
守岡 今、外国人の方が和食に価値を感じて下さっています。
でも、日本人ってやっぱりまだまだ海外のものが好きなので、健康とか美容を気にしようってなった時に、先ずは和食では無いんですよね。
あの海外のモデルさんが食べているあのスーパーフードを食べようとか、海外でグルテンフリーが流行っているからグルテンフリーにしよう、とかになっちゃうので。
もともと日本の食事は米食でグルテンフリーだし、と言いたいですね(笑)
日本食は、もともと、米に野菜に魚、後は発酵食品だったり、乾物だったり、豆類を食べたり、それこそ外国人の女優さん達が食べている最先端の食事方法が本来の日本人のバランス食なんです。
日本の人がその価値に気がついて欲しいなと。
ちょっと太っちゃった時には和食に戻ればいいんだって、心と体の羅針盤として昔の和食のバランスに戻るような、日本人がそういう事を大事にできるような社会になって欲しいなと思います。
例えば、日本の食文化でお味噌とかお醤油とか発酵食が色々ありますけど、海外でも塩麴ですとか日本の発酵食品が受け入れられたりしています。
日本には世界に誇る素晴らしい食文化がありますし、これぞ日本という食事を日本人にもっと採って欲しいなと思います。
また日本は四季がある国なので、旬の食材を取り入れてほしいですね。
暑い夏を乗り切る食事や、寒い冬に体を温める食事など、日本の季節を活かして食卓を楽しんでほしいと思っています。
「一番輝いているのは…自分が何かを信じて取り組んでいる姿」
仕事でも、子育てでもいい
守岡さんにとって「女性が輝く」ってどんなことだと思いますか。
守岡 私は仕事をするという道を選んだんですけども、
全ての女性に関していえるのが、自分で信じる道を持っていて、それを真摯に取り組んで、コツコツ努力をしている方というのは、誰でも輝ける瞬間があるっていうふうに思っています。
それが成功しているかどうかよりは、自分でやりたいこととか実現しようと努力している方って輝いてるなと思います。
それが子育てでもいいと思うんですよね。
自分が何かを信じて取り組んでいる姿が一番輝いているんじゃないかと思います。
「輝いている女性の基準」
苦労しながらもやりたいことをやる、パワフルな女性
では、実際この人輝いているって思う女性は身近にいらっしゃいますか。
守岡 そうですね。沢山いますけども、それこそ先日こちらでインタビューに登場されていた岡本真理さん(鍼灸師・麻布ハリーク代表)とかも凄く自分のやりたい事を実現されていて、輝いてるなと思います。
私は皆が想像するようないわゆるキラキラ女子を必ずしも輝いているとは思わないタイプです。
やっぱり自分を誇張したりとか、誤魔化した輝きとかっていうのは、見えてしまうものですから、岡本さんのように苦労をしながらも自分のやりたいことをやり続けている、パワフルな女性がかっこいいと思います。
時には泥臭い時があってもへこたれない、地に足がついたパワフルな女性が輝いている基準かなって思います。
守岡さんが今まで影響受けた人物・本などありますか。
守岡 影響受けた人は3人いまして、一人はアリス・ウオータースさんというサンフランシスコで食の革命をおこした女性です。
彼女がアメリカで初めてオーガニックを広めた方なんです。
日本でも最近「食育」という言葉がありますけど、そういう概念がなかった時代に、アメリカで食の大切さを広めたわけです。
もう一人は江戸時代の人物なんですけども貝原益軒さん。
「養生訓」という本を書かれている方で、当時のベストセラー本があるんですけども、心や体にどういう食べ方がいいのかというのが書かれていて、まだ化学がない栄養学もない江戸時代に、こういうものを食べると胃が冷えるよ、こういものは身体を温めて臓器にいいよということを書いているんです。
まだ化学もない時代によくここまでそんな本を書けたなということがすごいなと思います。
最後は、私の師でもある「久司道夫先生」という方で、昭和時代から平成にかけて、アメリカを中心に海外の方々にマクロビオティックという形で日本の良き食事の仕方というのを広めた方です。
アメリカを中心にそういった理念というか食事の仕方っていうのを広められたところに影響を受けました。
美しい女性像は、外見を磨くだけじゃなく
芯に何かを持っている「深みのある」女性
輝きたい!と思っている女性たちにアドバイスをお願いできますか。
守岡 私は自分の軸を持って欲しいっていうのが一番のアドバイスになります。
自分のやりたい事とかって出会えた人は幸せかもしれないのですが、そうではない人も沢山いると思います。
やりたい事が見つからなくても、何かこう自分の信念みたいなものを見つけて欲しいなと。
私はやっぱりこの仕事をしている以上、すごく日本の文化っていうのを食事以外にも大切にしています。
今グローバル社会の中で、いくらでも海外に自分の情報を発信していける時代になりましたし、いくらでも活動を広げていける時代になった中で、日本の女性としてやっぱり日本の文化というものを大切にしてほしいなとは思います。
やっぱり自分の文化を身に付けている方、自分の国を語れたりする女性って素敵だなと思うので。
例えば、パリの女性は自分の国の文化を大切にしてるので、とても魅力的に見えますよね。
私たちも日本の文化というものに少し触れておくと、海外にでた時日本人の女性として強みになると思うので、自国の文化を大切にすることは日本女性として輝ける武器になるかと思います。
その美しい女性像ってただ外見を磨くだけではなく、芯に何かをもっているかで深みがぜんぜん違うなって思っているんです。
例えばブランド一つにとっても伝統や文化を感じながら身に付けているのと、そうじゃないのって違いますよね。
たぶん流行っているから使っているのと、全然深みが違うと思うので、そういうのって美しさが自然と出てくるものだと思うんです。
日本女性として強みを持てるとしたら、自分の文化なんじゃないのかなと。
だから日本女性として日本女性らしく輝いて欲しい。
これからの女性には是非そうしていただけたら嬉しいです。
ずーっと大ファンの日本酒「冩樂」
ここからは、おまけの質問コーナーとして、唎酒師の守岡さんにお聞きします!
一番美味しい日本酒は何ですか??
守岡 それは難しい!甲乙つけ難い!
それぞれの日本酒が、人間と一緒でそれぞれの魅力があるので、なかなかオンリーワンを見つけるのは難しいんですよ。
しいて言うと、私は福島の日本酒を応援していて、福島は水も綺麗だし、米も美味しいので美味しい日本酒が多いんです。
中でもずーっとファンなのが、「冩樂!」
とにかくフルーティ。どちらかというと甘口の部類にはいるかもしれません。
純米吟醸で2,000円代(720ml)から買えるのでお勧めです。純米酒も美味しいです。
「冩樂」は私の中ではすごく万能な人。
酒の旨み、キレ、香りのどれもバランスが良くて、ご飯を食べながらも美味しく飲める食中酒にも向いていますし、香りが良いので軽い前菜やおつまみと合わせてフルーティな香りを楽しむこともできます。
「冩樂」はあんまり嫌われることがない、みんなから好かれるお酒かなと思います。
インタビューを終えて…
おしとやかな外見からは想像できない芯の強さを感じ、これぞまさしく「やまとなでしこ」!!
海外志向が強い今だからこそ伝えたい、自国の文化の素晴らしさを私たちに教えてくださいました。
女性が輝くとは…「自分が何かを信じて取り組んでいる姿」と語るもりおかさんが凛々しく輝いていました。
そして私たちも改めて日本人女性として日本の食文化の素晴らしさを見直すと共に、唎酒師でもある、もりおかさんと、是非美味しい日本酒を飲み明かしたいです。
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守岡 実里子(もりおか まりこ)
日本食文化研究料理家
音楽療法を学んでいた大学時代に日本の伝統食をベースとした食事療法に出会い、両親の病が改善した事がきっかけで食の業界へ。
その後、薬膳、マクロビオティック、江戸の食養生など日本の食文化と食事療法を学ぶ。
2008年に地方創生と六次産業化を専門とする食のコンサルティング会社に入社し、食のコンサルタントとして全国の食と農の地域活性化事業を手掛けたのち2013年に独立。
現在、地方の食をデザインするフードプロデューサーとして地域の食のブランディングや商品企画開発、旅館やレストランのメニュー開発やプロデュース、料理撮影のスタイリングから食空間のコーディネートまで幅広く手掛けている。
また、日本食文化研究料理家として和食の価値を見直し現代のライフスタイルに合わせた和食のビューティーフードや健康和食の提案、講演、執筆も行っている。
日本食匠なでしこアカデミーを立ち上げ、和食文化を未来へ繋ぎ社会へ貢献出来る人材の育成、サスティナブルな食のあり方を伝える菜園教育などのSDGsにも取り組んでいる。
2020年、和食から美と健康、持続可能な社会を叶えるライフスタイルメディア「和食美人.com」の運営をスタートし、和食文化の継承とサスティナブルな食卓ライフの普及に奮闘中。