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輝きWoman!!記事2019/12/02

あなたにとって「輝きwoman」とは...

輝くために大切したいこと、それは…自分が美しく生きようとしているかどうか

学校法人資生堂学園 資生堂ビューティースペシャリスト/ 近藤 尚子

全国の美容に関わる社員の中から選抜され「資生堂ビューティアカデミー」にて高度な美容教育を受けた後、厳しい審査を経て誕生する「資生堂ビューティスペシャリスト(SBS)」。

少数精鋭の環境のもと最高レベルの美容技術と知識を身につけられた近藤尚子さんは、まさに今、その「資生堂ビューティスペシャリスト(SBS)」として、教育・セミナー講師など幅広く活躍されています。
お会いしたら誰もが、その全身から放たれる「美」のオーラに引き込まれてしまうでしょう。
今回は、そんな近藤さんに”女性が輝くとは…”について、これまでの道のりや現在のお考えを合わせて、いろいろなお話を聞かせていただきました。
お話を伺うほどにますます、近藤さんの「美」の奥深さを感じさせられました。
輝きたい女性必見!の内容です。

『豊か』という言葉が好き

近藤さんにとって「美」の秘訣とは?

近藤 秘訣かどうかはちょっとわかりませんが、私なりに心がけていることは…
「美しさ」は、20代や、30代の時に思っていたことと、今思っている美しさは、年代と共に変わってくると実感しています。
今思っている美しさというのは、内面、つまり心が充実していることが美しさの原点かと思います。それは心が豊かであること。
『豊か』という言葉が好きです。その中でも『心が豊か』であることが一番大切なことだと思っています。

例えば具体的に、美のために食事とか生活習慣で気をつけてらっしゃることはありますか?

近藤 「美しさ」は、先ず「健康であること」が大切だと思っています。
生活習慣では、これと言って特別なことはしていませんが、良質な睡眠と、一日三食を通してなるべく栄養バランスを考えた食事をすることです。

日々の生活の中で、理想の形を保つのは難しいですが、美肌はもちろん、健康を保つために、この2つは一番大事にしています。

食事では、食べたいものを我慢するのは苦手なので、スイーツなどの好きなものを食べる時は、その分ビタミンやミネラルが豊富な野菜や果物を積極的に摂るようにしています。

そして睡眠は、私にとって美の土台になる肌のコンディションと、体調にとても影響するので、なるべく6時間以上の睡眠をとるように心がけています。

資生堂に入社されたきっかけは?

近藤 学生から「どうして先生は資生堂に入ったんですか?」と聞かれることがあります。
学生の頃、就活中は色々悩んでいました。いくつか選択肢がある中で、一番身近に影響を受けたのは、元資生堂の美容部員をしていた母と叔母でした。
また、私には双子の姉がいるのですが、父と母から「自分の将来だから自分たちで話し合って決めなさい」と言われ、二人で相談して資生堂に決めました。

資生堂を選んだ理由は、「女性が綺麗になっていく仕事っていいな」と思ったからです。また、「私が好きなこと」というより、「私にできること」を考えながら、飲食店のアルバイト先での接客業を活かせることと、何よりも人と接する仕事ができることが、選んだ一番の理由でしたね。

学生の頃は、美容のことは詳しくなかったので自分には、本当にこの仕事ができるのか? と不安でいっぱいでした。

資生堂のミッション 学生が生き生きしていく姿

資生堂ビューティスペシャリストとして一番「喜び」を感じる時は?

近藤 ビューティースペシャリストは、美容の素晴らしさとおもてなしを伝承していくお仕事です。
現在は、資生堂美容技術専門学校で、美容業に携わる全ての分野での美容のプロフェッショナルを育てるお仕事をしています。

学生にとって分かりやすく、成長を感じられるようなカリキュラムや授業の構築から指導の方法は、マニュアルのようにはいきません。

日々、職場の仲間と相談しながら色んなアイディアを教育に活かしています。
学生生活の入学から卒業まで2年間という限られた期間で、一人ひとりに成果が現れてくること、そして学生自身が生き生きと輝いていく姿を見ることが、一番の喜びであり、やりがいです。

日々の積み重ねの中で、共に喜び合える光景を、いつも頭の中で描いています。

今、資生堂では、企業使命を
BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(ビューティーイノベーションでよりよい世界を)
と定めています。

その世界をこれから担う、美容業界で働く若い人たちを増やすことが、とてもワクワクします。

自分が美しく生きようとしているかどうか

学生さんにいろいろ伝える中で、これだけは必ず伝えたい、いつもこれだけは伝えようとしてことはありますか?

近藤 人や物事に向き合う姿勢(心)です。
まず、今の全ての環境が当たり前ではないという感謝の気持ちを持つこと。そして、学生に強く指導しているのは、真摯に向き合う姿勢を忘れない事です。これまでの私の経験から、知識や技術を身につけることをきっかけに人間力が磨かれていくことを学びました。

「心があって、技がある」。

真摯に向き合う姿勢の先に培った技だからこそ、想いが人に伝わり、感動が生まれる。真剣に取り組む姿勢が、些細な事にも気づける心を養うことや、心を鍛えること、更には見識が広がって自信にも繋がり、キラキラ輝いていくと思っています。

最後に、当校の教育方針として掲げている「美しく生きる」ということです。
「お客様が美しく生きたいという願いを叶えるお手伝いを任せられている」、それは私たち美容に携わる人間が社会で貢献できることだと考えます。

しかし、美しく生きるお手伝いする時に大切なのは、「自分が美しく生きようとしているかどうか、そこに強い意志があるか?」ということだと思っています。

日常を過ごしていると、目の前の事に一生懸命になりすぎて視野が狭くなることも多々ありますが、その時に自分の心を「美しく生きる」という原点に対して向き合えることがとても大切だと思っています。

『可能性を信じて~Believe in your possibility~』

人生のターニングポイントはありましたか?

近藤 人生最初のターニングポイントは高校生の時でした。
「なんて辛いんだろう!!」という思いをしました。でも卒業する時には、「とても濃い3年間だったなあ、私なりにやりきった」と思える高校生活でした。
その経験は、「強い信念を持って取り組む」「自分が一度決めたら最後まであきらめない」事を学ぶ機会になりました。

高校3年間は、スポーツ(バスケットボール)・寮生活・学業を両立させること、そして、何よりも全ての試合に勝たなければいけない精神的なプレッシャーと身体や心の自己管理との戦いでした。

辞めたいと思う気持ちが膨らみ、最終電車が走る音が聞こえる度に、その電車に乗って自宅に帰りたいと、寮のベッドで泣くこともありました。

とても辛かった一年生の頃、姉とともに父に相談し、その時に言われたことは「頑張ってこのまま続けるか、それが出来ないのであればバスケットを辞めて他の高校に編入する」という二つの選択肢でした。

どちらを取るか究極の選択を迫られ、精神的に追い詰められました。

姉と相談し、自分たちで選んだチームだから、気持ちを仕切り直して最後までやりきるという選択肢を選び、それからチームメンバーと切磋琢磨しながら残りの高校生活を奮闘しました。

高校にはたくさんの素晴らしい選手が集まるので、挫折も味わい、出来ない自分にもたくさん直面し、受け止めなければならない日々。スタメンから外れたらどうしようというプレッシャーやライバル意識。いろいろ経験しました。
こうした高校生活の中で、一度踏み込んだらやり抜く精神力を、いつの間にか培ったような気がします。

また、私のチームでは『可能性を信じて』という言葉と、それを英語版にした『Believe in your possibility』という言葉が横断幕に書かれていました。
この『可能性を信じて』という言葉は今でも私の原点になっています。自分が知り得ない自分の可能性を、皆、必ずもっていると思っています。

それは、本人の取り組む姿勢や人との出会いによって引き出されたり、アクシデントがあった時に火事場の馬鹿力の様に発揮できたり様々ですが、「自分はこんなことができるんだ」と思うこともあるので、自分で可能性を止めてしまわない様にすることが大事だと思います。

自分自身の可能性を引き出して磨いていくことも学び、高校生活を思い出す度に、社会人として当たり前のことを身につけるきっかけになったのだと実感するターニングポイントです。

影響を受ける人は「心」のある人

そのようなターニングポイントの時、または何か起こったときに影響を受ける人や影響を受ける本などありますか?

近藤 はい、たくさんあります。
その時の環境の中で接している身近な人や、趣味のサルサダンスに行った時、山に行って自然と触れ合う時など、行ったところで必ず影響を受けます。
共通していることは、きちんと自分の考えや意見を人に伝えられるひと。その時、「なぜそう思うのか?」を共有することを大切にしています。
自分の経験を活かして建設的な会話ができるひとや本に影響を受けることが多いです。

人の力があって自分が輝く

近藤さんが、ご自身で「あ、今輝いてるな」と思う瞬間は?

近藤 「今、この瞬間、輝いている」と自身で思うことはないかもしれません。
どちらかというと、職場や特に学生と接する時は輝いている自分でありたいという思いを大切にして気持ちと整容を整えます。
そして、それを見て将来輝いていく人たちを育てたいと思っています。
それから、私が在籍するビューティーコンサルタント科では、社会に求められる人材を輩出するために、カリキュラムを時代とともに進化する様に考えています。
その課程で、一緒に仕事している仲間と力を合わせて取り組んだり頑張っている時に、仲間も一緒に輝いていると感じます

近藤さんが「輝いているな」と思う女性は?

近藤 自分の目標に向かって努力している女性や、自立した女性です。
輝いている人は、自分の考えや軸を持っていて、自分のことをよく分かっているひと。
そして、さり気なく、周囲や相手のことを思いやる行動ができる人だと思います。

インタビューを終えて…

キラキラと目を輝かせて、優しい声と口調で、ずっと笑顔で話してくださいました。
お会いしている時間が長ければ長くなるほど限りなく、その魅力に取り憑かれてしまうだろうと感じさせる近藤さん。
資生堂ビューティスペシャリストとして多忙な中プライベートでは、サルサダンスやトレイルランニングを楽しむという、おしとやかな見た目からは想像できないアクティブな面もお持ちで、それもまた素敵です。
お食事に合わせてお酒を楽しんでいらっしゃるということも、インタビュー後には気さくにいろいろと話してくださいました。
「輝きたい」と思ったら、輝いている女性に会うことが一番! 近藤さんにお会いして、改めてそんなふうに思いました。

 近藤 尚子 近影

近藤 尚子(こんどう しょうこ)

学校法人資生堂学園 資生堂ビューティースペシャリスト

海外コレクションのバックステージなどの経験を生かし、お客さま個々の顔立ちを捉えたメーキャップを得意とする。内面美容を含めたスキンケアなど、幅広いトータルビューティーを提案し、高い評価を得ている。


日本マナー・プロトコール協会 マナー・プロトコール検定準2級
日本エステティック協会 認定エステティシャン
インターナショナルネイルアソシエーション ネイルスペシャリストA 級
ICB インターナショナル認定 カラーアナリスト
健康管理士 一般指導員 健康管理能力検定1級